【一部貸切】ガラガラ夜のこだま!500系を元グリーン車指定席で嗜む〈972号:広島→岡山〉

日本初の300km/hでの営業運転を行った500系新幹線電車。
私にとって憧れの存在であり続けてくれた500系新幹線に、9月20日~23日の間、会いに行ってきたので、その様子を4回の記事に分けて好きなように紹介してゆく。この記事は、4回中第3回目の記事だ。

当記事は、9/20~9/23の4日間の内、乗り納め2日目後半(9/21夜間)の様子である。ちなみに、この度の乗り納めでは、3日間の間に計5列車も500系に乗りに行った。今回は5列車中の第4列車目となる。

岡山から一度ワンピース新幹線にて広島へ

  • 乗車日  :2026年9月21日(SW:のぞみ全車指定席期間)
  • 列車名  :山陽新幹線下り「こだま963号」
  • 区間   :岡山 19:32発→広島 20:46着
  • 編成名  :700系7000番台E9編成「トニー・トニー・チョッパー号」
  • 号車・座席:7号車・普通車自由席車両D席(サルーンシート窓側席)

サルーンシートでマックのテイクアウトを食べながら

その日は岡山に宿を取っていた。軽く昼寝をした後、一部荷物を部屋に置いて岡山駅へ繰り出した。

19時32分発 岡山発広島行き963A こだま963号に乗って、広島へ向かうとする。
やってきたのは、700系E9編成ワンピース新幹線「トニー・トニー・チョッパー号」だ。

利用客が少なく、かつJR西日本管内で運用が完結する「山陽こだま」
エンタメ新幹線として、山陽・瀬戸内の観光活性化につながるものとして、またこのE編成3本が、V2編成の実質的な後継として、賛否両論あるが活躍する姿に期待したい。

また先日、9月28日のプレスリリースにて、ワンピース新幹線の新大阪方先頭車(8号車)を、イベントスペースとして特別仕様に改造されると発表がなされた。

8号車はE編成ご自慢のコンパートメントスペースがあるが、現在はほとんど活用されない事実上のデッドスペースだ。
このスペースが改造により撤去されるのは、鉄道ファンとして複雑な心境であるが、ほぼ活躍する機会がない事を鑑みれば、8号車先頭部の活用法が見出されて好ましい。
何はともあれ、元気な700系E編成が見られるようになるという点では嬉しい限りだ。

このワンピース新幹線は、普段は鉄道への関心が無いと思われる方からも注目を集めていた。500系引退後も「山陽こだま」を盛り上げてくれる存在だろうと今後が見えた感じがしたのだ。

岡山駅駅ビルのさんすて岡山1階のマクドナルドにて、夜マックのセットをテイクアウト。
利用客もまばらなので、問題ないと思い、遠慮なく頬張った。

まだ19時台で、下り方面は東京からの数多くののぞみ号や、鹿児島へ向かうみずほ号・さくら号が多数走っていた。

20時46分 広島に到着。発車まで1時間弱あるので、広電や在来線を軽く腕鳴らしに撮影し、乗車に備えたのだった。

こだま972号 広島発岡山行き 深夜の短区間こだま

  • 乗車日  :2026年9月21日(SW:のぞみ全車指定席期間)
  • 列車名  :山陽新幹線上り「こだま972号」
  • 区間   :広島 21:42発→岡山 22:44着
  • 編成名  :500系7000番台V9編成(機器未更新編成)
  • 号車・座席:6号車・普通車指定席車両D席(元グリーン車)

21時29分 広島駅入線

21時29分 広島新幹線運転所から乗車するこだま972号岡山行きが入線してきた。
夜の遅い時間でかつ、広島発岡山行きの短距離運行のため、博多や新大阪と違ってギャラリーはまばらだ…

この日のV9の運用であるが、

  • こだま939号 広島 09:26着 ← 新大阪06:59着
  • こだま972号 広島 21:42発 → 岡山 22:44着

と早朝と深夜の2本だけだ。早朝のこだま939号はともかく、この972号はとにかく乗りづらい列車だ。
そのため、この日にV9編成を見たくても、動ける人はそこまで多くなかったと見られる。

ホーム上売店でさっさと飲み物を仕入れ、早速先頭部分へ…(一度車内に荷物を置いたのであるが)

夜遅い時間とは言え、シルバーウィーク期間と言う事もあり、親子から注目を集めている。とても幸せそうだ。
やはり500系新幹線は、どんな時もスーパースターであり、ヒーローなのだ。

今回乗りこんだのは、タイトルにもある通り6号車だ。
この6号車はW編成時代には、10号車特別車両グリーン車として組み込まれていた車だというのは、500系に関心がある人にとっては常識であろう。

RAWで撮ったものを現像する際に、色温度・色被りをいじくり、無理やりグリーン車当時の雰囲気に近づけた画像だ。
色温度と色被りで遊んだだけのものであるが、それでもグリーン車時代の風格が漂う。

紫系の内装が中心の中、6号車だけは黄色系の内装となっており、窓も他の号車より大きいため、同じ普通車に格下げされたとは言えオーラが違う。

車両・座席はグリーン車の転用とはいえ、オリジナルの姿では決してない事は、乗り納めする上では留意しておきたい。

グリーン車時代との車内、座席の相違点は以下の通りだ

  • 車内照明が「電球色」蛍光灯から、普通車と同じ「白色」照明へ交換
  • 車内の床敷きが「カーペット」から「ビニル系床材」に交換
  • 壁面(500系特有のカーテンパネル上)の間接照明の撤去
  • 座席のピロー(可動枕)の撤去
  • 座席フットレストの撤去
  • 頭上の読書灯の撤去
  • オーディオサービス機器の撤去
  • デッキ扉を窓ガラス無しから、普通車と同じ窓ガラス有りに交換

やはり他とはオーラが違うとはいえ、W編成時代(10号車グリーン車時代)と比較すると、高級感が落ちている事は変わりない。

それであっても、乗り心地と言う観点から見ると、シートピッチは1160mm(他の号車は1020mm)と広く乗り得だ。

座席テーブルであるが、グリーン車時代から背面テーブルが無かった。
そのため、グリーン車座席のアイデンティティとも言える肘掛けテーブル。それも折り畳み式の物が健在だ。

21時42分 登場当時の磁励音を響かせ発車

21時42分 広島駅を発車。この列車に乗る前日、新大阪から博多南までフル区間乗ったV9編成。
唯一の機器未更新車で、唯一無二の至高の磁励音が力強く車内に響く。

70km/hまで加速し、分岐器制限でノッチオフ。広島球場が見えてくるとノッチを軽く投入し、少しずつ加速。イオンモール広島府中付近でフルノッチに投入し、思いっきり引っ張られるような感覚になった。そして、あっという間に200km/hを超える。

6号車の乗客であるが、座席定員68名に対し、私含め6名しかいなかったと記憶している。
昼間の乗り納めであれば、区間によってはおそらく満席であったのだろうが、狙い通りこの夜間の短区間こだまでは、ガラガラの車内で存分にふんぞり返る事が出来た。

ホーム上売店(セブンイレブン)で、仕入れたスナック菓子を早速開けていく…
以前山陽新幹線のぞみグリーン車乗った時のおしぼりも持ってきていたので、それも取り出しセルフグリーン車を開幕した。

車内散策①:8号車運転台を訪れる

コーラとスナック菓子を食べ終え、車内も空いている事なので散策に繰り出す。

今回の500系乗り納めでまだ拝んでないものがあるので、それを拝みに行こう。

それは「こども運転台」での300km/h表示だ。500系と言えば300km/hなのは言うまでもあるまい。
こだまV編成になった現在、285km/hまで出せないが、この500系は300km/hを出した英雄だというのを車内で静かに語り継いでいるのだ。

誰も居ない運転台で、マスコンをフルノッチに投入し、300km/h表示の速度計を撮影した。この300km/hの00が二つ並ぶ光景が頼もしい。

車内散策②:元グリーン車・サルーンシート・自由席を比較

せっかくなのだから、3種類の座席回りをざっくりと見て行こう。この部分に関してだが、時系列順に動いている訳では無いので留意されたし…

6号車 元グリーン車

座席を予約した6号車グリーン車座席の様子だ。先ほども申し上げた通りシートピッチが1160mmと広い、そのため窓も大きく横にやや長いことが分かる。

フリーストップ式カーテンの柄も、グリーン車時代の物をそのまま使っているため、普通車と柄が異なる。

4号車・5号車 サルーンシート

500系4号車・5号車の座席は、ひかりレールスター指定席「サルーンシート」とほぼ同じ座席が用いられている。
シートピッチであるが、500系のぞみが、東海道新幹線の車両定員に極力合わせるため1020mmであった一方、700系E編成ひかりレールスターでは、1040mmであったため、ほぼ同じ座席とは言え500系の方がわずかに窮屈となっている。

なお座席以外は交換されておらず、壁面やカーテンは改造前と同じもののままである。

500系V編成の4号車・5号車のサルーンシートであるが、短編成化当時は、従来通り2列+3列の座席であった。
よく勘違いされがちだが、V編成の特徴・象徴の一つと言える4号車・5号車のサルーンシートは、こだま転用時ではなく、こだまとしての運用開始後に行われたものなのだ。

2008年から2013年当時の山陽こだまは、4号車・5号車も自由席であったが、乗客の利用が多く見込まれる日には、指定席となる場合もあった。
また、こだまの指定席需要が以前よりも高まっていた。と言うのも、こだま指定席を利用した旅行企画商品が増加していた事が背景に挙げられる。

話を戻して、従来座席の4号車・5号車が指定席に変更となる場合、同じ料金を取る指定席でも、6号車や700系E編成より狭く、サービス格差として問題であった。

そのため、こだま運用を開始して5年後の2013年11月より、4号車・5号車を2列+2列のサルーンシートへ交換する工事が順次施工された。同年12月19日以降営業の500系は、全て2列+2列のサルーンシートに統一されている。
また、2014年ダイヤ改正より一部列車を除き、山陽こだまも4号車・5号車が指定席車両となった。

500系こだま号の4列シート車両の拡充について:JR西日本
JR西日本ホームページ

1号車~3号車・7号車~8号車 自由席

こちらはオリジナルの姿をほぼ保つ、自由席車両の座席だ。

かっこいい姿とは裏腹の落ち着いた車内空間を演出しているものの、外観に合わせるような形で、スタイリッシュな紫系となっている。
落ち着きとかっこよさを両立した素敵なデザインだ。

重ねての言及であるが、シートピッチは1020mmであり、現行のぞみN700A系・N700S系の1040mmと比較すると20mm狭い。と言っても、500系と同世代の在来線特急よりは広いので不足はない。

新倉敷で唯一の通過待ち ひかり682号の追い抜かれる

22時30分 岡山の一つ手前、新倉敷に到着した。昼間のこだまと異なり通過待ちが少ない。

この新倉敷で、こだま972号は唯一の通過待ちが行われた。500系新幹線を安全柵なしで唯一撮れるチャンスだ。

新倉敷では、博多からの数少ないひかり号。682A「ひかり682号」に追い抜かれた。(博多20:52→新大阪23:32)
かつては、ひかり444号として名乗っていた列車で、2020年3月ダイヤ改正までは、数少ない700系B編成で運転されていた列車として一部ファンからは有名であった。

途中停車駅は、小倉・新山口・広島・福山・岡山・姫路・新神戸だ。のぞみ号・みずほ号の選択停車駅に3駅停まるだけ、ほぼのぞみ号と言っても差し支えが無いであろう。

車両は新型のN700S系で、運転時刻はほぼ同じ。444号だった当時と異なるのは、新山口が停車駅に追加された事だ。
車両性能の向上も相まって、停車駅が増えたのにもかかわらず所要時間は444号時代より、実は1分短くなっている。

最後になるが最古参新幹線と、最新型新幹線の追い抜きが見られたのは、とても良かった。

車内散策③:貸切状態の7号車

22時34分 新倉敷を発車し、残りわずか10分で終点の岡山に到着だ。
7号車車内を見ると、なんと貸切状態であった。たしか福山発車時点で貸切状態だったが、記憶は定かではない。

引退間際の、そしてデビュー当時から引退する現在に至るまで、人気の頂点であり続けた「トップスター」「フラッグシップトレイン」を貸し切れたのは、ものすごくいい思い出だ。

岡山の宿に荷物を置き、岡山⇔広島をとんぼ返りして、乗りに行ってよかった。

22時44分 終点岡山到着

6号車の自分の席に戻り、車内放送を聞きながら、名残惜しむ。車内からは泊まっているアパホテル&リゾート≪岡山駅新幹線口≫が見えた。
あそこからも上手くやれば、この新幹線が見えてたはずだ…

定刻通り22時44分、岡山駅24番乗り場に到着。

テールライトに切り替わった先頭車を見る。

入換発車するまで時間があるので、博多方まで出向き、レンズと変えて撮影した。このテールライトはやはり唯一無二だった。

22時57分 入換信号機の現示に従い、岡山新幹線運転所へと引き上げて行った。暗闇の中、ポツンと光るテールライトが哀愁を誘う。

おわりに

今回の500系乗り納め、基本的に自由席にする方針であったが、今回のこだま972号は、広島発岡山行きで旅行商品の利用がほぼ無いと見越して、せっかくなので6号車元グリーン車に乗った。

そして、500系車内や座席の違いを、わずか1時間であったが堪能できてよかった。
また前日に引き続き、V9編成にも出会えたので、それも大変嬉しかったのだ。

今後、山陽こだまを利用する機会はあるかもしれないが、あったとしても、博多⇔新大阪や博多⇔岡山利用であろう。
このような短距離こだまで、ノビノビできたのも、純粋な旅の思い出として記憶に残った。

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