日本初の300km/hでの営業運転を行った500系新幹線電車。
私にとって憧れの存在であり続けてくれた、500系新幹線に9月20日~23日の間、会いに行ってきたので、その様子を4回の記事に分けて好きなように紹介してゆく。この記事は、4回中第2回目の記事だ。
当記事は、9/20~9/23の4日間の内、乗り納め2日目前半(9/21午前)の様子である。この度の乗り納めでは、3日間の間に計5列車も500系に乗りに行った。
今回は5列車中の2列車目と3列車目だ。折り返してそのまま乗車するので、1回としてカウントも出来そうだが、列車番号ごとにカウントとしている。

こだま933号 厚狭から博多南へ
- 乗車日 :2026年9月21日(SW:のぞみ全車指定席期間)
- 列車名① :山陽新幹線下り「こだま933号」
- 列車名② :博多南線下り 「特急933A」(山陽新幹線933Aからの継送)
- 区間① :厚狭 08:37発→博多 09:12着
- 区間② :博多 09:14発→博多南09:22着
- 編成名 :500系7000番台V8編成(引退記念ロゴ付き)
- 号車・座席:8号車・普通車自由席車両E席(2列側窓側席)
厚狭駅から気持ちのいい朝と「500系」を迎える

8時14分 山陽本線の下関行きにて厚狭駅に到着。500系置換で埋もれがちな話題だが、新型227系500番台「kizashi」によって、置き換えが行われる115系3000番台・3500番台で到着だ。
小野田から乗車して、わずか1駅のみであったが、乗る事が出来てよかった。なおかつ元117系の3500番台車だからなおさら…
宇部新川からの乗車券に、ようやく自動改札機で入鋏をし、新幹線ホームへ上がる。

8時29分 岡山からのこだま933号が入線。美しく青い車体に、山陽の陽を照らしながら凛々しく入線した。
厚狭駅は「こだま」のみの停車で、8両編成の停目しか存在しない。16両中半分は使用されなくて、かつホーム上の屋根もわずか5両~6両分だ。何にも邪魔されず、落ち着いた環境で拝むことができた。


やって来たのは、V8編成。7月以降に1号車・7号車側面に「引退記念ロゴ」が貼られている編成だ。
このステッカーに賛否両論はあるが、このステッカーを見て、いよいよ本当に終わりなんだなと実感したところだ。

朝の早い時間、岡山を6時31分に発車する列車である事や、山陽新幹線の末端部分のため、乗車した8号車は、私の他に男性1名と鉄道ファンのご家族4名1組の計6名のみだ。
8号車の乗務員室後方には、500系の「お子様運転台」があり、朝から空気が和やかだ。

対向にはちょうど、この500系V編成を置き換えている、山陽こだまの後継車N700系6000番台P編成が停まっていた。やってきたのは改造第1陣のP4編成だ。
人によっては2度も500系を置き換えた、強い表現であるが「憎き存在」とも言えるが、この光景が見られるのも、この引退間際のわずかな期間の光景だと、私はむしろテンションが上がっていた。

このN700系6000番台P編成であるが、7月22日のプレスリリースでは、「YURARI~気ままに移ろいを味わう~」のコンセプトの元、瀬戸内海をモチーフにした「山陽ブルー」の外観に変更されることが発表された。
この「山陽ブルー」の塗装は、今後のP編成第4陣から導入される。
すでに走っている第1陣から第3陣(P4・P8・P1※登場順)も順次、塗装が変更される見込みだ。
この東海道カラーのP編成も、このわずかな期間の後継と言える。
小倉まで鉄道ファンのご家族と話で盛り上がる

P4編成を撮影している最中、「こども運転台」にて500系を楽しんでいるご家族4人に声をかけられた。「お兄さんも、せっかくなのだからぜひ運転席に」と…
もちろん社交辞令として断ったのだが、せっかく家族に喜んで迎え入れられたのだから、そこは遠慮なく運転台のマスコンを1分いじった。
通りがかった車掌も感じのいいベテランの方で、非常に和やか、心地のいい空間であった。

そして500系新幹線の他、SLやまぐち号の話などでいろいろ盛り上がり、気が付いたら再び九州に上陸し、小倉に到着だ。
ご家族のお子さんは恐竜の話もしてくれた。これから「北九州市立いのちのたび博物館」に行かれるようである。
この施設は初めて知ったが、調べてみてたら面白そうな施設だ。こうやって道中出会った人々から、色んな場所を知るのも旅の醍醐味だと思った。
北九州~福岡 新幹線利用の日常

8時56分 小倉を発車。福岡への地元客や観光客によって、車内の乗車率は上がった。
北九州~福岡間の忙しい日常に空気が切り替わった。

8号車の乗車率は、座席定員に対し3割程度に見えるが、デッキ近くの前方座席に集中していた。
また同区間でも、500系を乗り納めに来たと思われる方を2組見かけた。
私の2回りくらい上の男性と、500系新幹線について談笑していた。この区間の日常は車内に入れば、そこまで忙しさは無く、やはり和やかであった。

9時12分 博多に到着した。

博多で私以外、全員降りられた。山陽新幹線から博多南線まで乗り通したのは、昨日に続き、私くらいだったようだ。
そして春日市や那珂川市への地元客を数名と、鉄道ファン数名を載せ、静かに博多南へ送り出される。

9時22分 博多総合車両基地横の博多南駅ホームに到着。700系ワンピース新幹線やN700系に出迎えられながらだ。この紫の車内越しからの光景ももう終わりか…
この博多南も今後、訪れることはあるのだろうか?バジェットホテル博多南に宿泊以外は、もう用がないのかもしれない。
博多南駅到着 500系をいろんな視点から

博多南に到着し、狭い1面1線の駅へ降りる。世界の高速鉄道の代表格「新幹線」が来るのだから驚きだ。
厚狭とは反対側の扉が開き、山側の7号車ステッカーを拝みノーズ先端へ…


ちょうど博総を出庫し、博多駅からのぞみ号になると思われるN700Aを見送った。


自慢のヘッドライトと共に、博総の留置車両を交えて撮影。人間で言う「目」として、表現可能な鉄道車両の「ライト」。
2026年現在の東海道・山陽・九州系統で、フロントガラスの真下にヘッドライトがあるのは、この500系と700系のみだ。
また同系統で、フロントガラス内側にテールライトがあるのは500系のみである。

世の中様々なイケメン車両はあるが、平成の漢っぽさを感じる500系。本当にいつまでもカッコよさは衰えなかったなと思った。
たしかに老けた感じは否めないが、いつまでも憧れであり続け、いつでもカッコよかった。
具体的な人物に例えるなら「キムタク」こと「木村拓哉」だ。500系は鉄道界のキムタクだ。

博多南駅で記念に切符を持ち帰り、すぐ戻るが駅をあとにする
RAWで撮りゴリゴリにレタッチしたものだが、まるで格納庫から戦闘機に乗り込む前、海外の映画のワンシーンのような画を撮れた。
正確な定義に基づく話ではなく、”場の雰囲気”での話であるが、500系新幹線御自慢の「JR500 WEST JAPAN」もロゴではなくエンブレムという表現をした方が良いかも知れない…
こだま948号 博多南からそのまま折り返し、終点の岡山へ
- 乗車日 :2026年9月21日(SW:のぞみ全車指定席期間)
- 列車名① :博多南線上り 「特急948A」
- 列車名② :山陽新幹線上り「こだま948号」(博多南線948Aからの継送)
- 区間① :博多南09:39発→博多 09:47着
- 区間② :博多 09:49発→岡山 12:55着
- 編成名 :500系7000番台V8編成(引退記念ロゴ付き)
- 号車・座席:2号車・普通車自由席車両A席(3列側窓側席)
急いで珈琲とアイスを仕入れ地元利用者に紛れ乗車

9時22分に到着して、9時39分に折り返し博多南を発車する。つまり折り返し時間は17分だ。
撮影を終えて、駅から徒歩2分弱の「セブンイレブン 那珂川中原2丁目店」へ駆け込む。
急いでホットコーヒーとハーゲンダッツのアイスを仕入れ、発車の3分前に再び改札口を通過した。
ホーム上の自販機でミネラルウォーターも購入し、乗車準備完了。
発車1分前、2号車から乗車し席にありつけたのだ。

2号車は改札口から遠い事もあり、乗客もまばら…同じ号車には10名強しか乗っていなかったと記憶している。

博多南線特有の、新幹線電車なのに旅情もへったくれもない雰囲気の中、お目覚めのコーヒーを決める。
博多南から乗客総入れ替え

再び博多に戻ってきた。乗客は私以外、全員降りたようだ。
そして山陽新幹線の客が大勢乗り込んできた。車内は4割程度、大体の座席列に乗客が座り、車内は賑わっていた。
と言っても、大半が小倉や新下関など、北九州・下関地域への観光客や地元利用者であったようだ。そのため、新下関・厚狭を過ぎると賑わいも落ち着いた。
どうあれ、福岡~北九州・下関間の交流が活発である事は、このこだまで実感した。

小倉の中心部の方を見ながら、駅に到着だ。

10時06分 小倉に到着した。10時10分発、鹿児島中央からのみずほ604号と接続退避が行われる。
博多駅で後続に回ればと思ってしまったが、九州新幹線の折り返しや、東京発着のぞみ号の発車待ちや回送待ちなど、意外と多くの新幹線が行き交う博多駅では、余裕が無いのが容易に想像がついた。
日中のこだまは通過待ち多数

新下関に到着、ここで臨時のぞみ136号の通過待ちを行う。500系のノーズと新関門Tを高速で飛び出すN700S系を撮れた。
みなさん突然だが「こだま」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか?私はとにかく各駅での待避である。
東海道新幹線は物凄い数ののぞみ号が走っており、こだま号はほとんどの駅で、のぞみ号、時たまひかり号の通過待ちをしている。
山陽新幹線はというと東海道新幹線より本数が少ないが、それでも東海道直通の他、九州直通もあり、多くの速達新幹線が行き交う。
さらに、この日は繁忙期でのぞみ号を中心に、臨時列車が大量に増発されていた。なので、この先、通過待ちの写真が大量に待っている。
軽く特徴あるデッキを車内散策

新下関からは、再び車内の賑わいも落ち着いたので、車内探検に出向く。
こちらは7号車の6号車寄りデッキ部分だ。
元々11号車に組み込まれていた車両で、車いす対応座席、お手洗いがある号車であるが、車椅子対応スペースとは反対側には、車内サービスカウンターがあった。
元々カウンターとショーケースがあった関係で、喫煙スペース跡地以外は通路の幅が広い。カウンターは車両中心にはみ出る方なので、この付近のみ若干山側に迂回していた。
この照明の薄暗さと閉塞感がリミナルスペースのようにも思える。

こちらは7号車の8号車寄りデッキ部分だ。
先ほども説明したが元々11号車として組み込まれていたため、多目的室などもあり、デッキが細く長い。
6号車側と異なり、グレー系の化粧板のため、薄暗さが目立つ。
とにかく通過待ちの連続


新山口に到着。N700S系同士の行き違いを見ながら通過待ち。

どうしても外せない周南コンビナートを見ながら徳山を着発。

新岩国に到着。さくら746号に抜かされる。このホーム屋根と一体になるように架けられた架線のビームがかっこいい!

11時38分 広島発車。広島では接続が行われず、そのまま発車。乗換客も居ないので相変わらず、車内はまばらであった。

イオンモール広島府中を車内越しから見る。行った事ないので祇園モール共に訪れてみたいところだ…
子供の頃から近所のイオンモールやサティに連れていかれており、特に買い物するわけでもないが、イオンモールが好きだ。
どこか出かけた時、気が付いたらイオンモールやアピタなどのショッピングモールに吸い込まれており、喫茶店、カフェやフードコートで暇つぶしをしている。何もしないという幸せが堪らないのだ。
置き換え元となるN700a系(西車)K編成に抜かれる

東広島に到着。のぞみ22号に追い抜かされた。追い抜いて行ったのはN700a系5000番台K編成だ。
西日本の車でP編成の改造元である。「のぞみ」と「こだま」で二度も置き換えを行う車に抜かされるという運命的な一枚を納められた。

続いて三原に到着し、引き続き福山まで広島県であるが、鉄道文化圏的には広島と岡山が入り混じる、境界地帯に来た気分だ。

博多方面へ通過したN700Sと九州直通のN700がすれ違い…当然だが200mmのレンズでは足りない。この時、昼光撮影にだけでも使えればいいので、400mmや600mmのズームレンズが欲しいと思ったものだ。

という訳で、さくら748号に追い抜かれる。この蒼い新幹線が水い新幹線に抜かされるのも残り僅かか…

新尾道、福山と停車。福山では広島発のぞみ94号に抜かれる。
カーブ上に位置しているため、カントで傾きながら通過するのぞみ号と共に撮影ができた。

広島方面へ向けて発車する対向のN700A系を見送る。

福山を発車し、新倉敷と停車。いよいよ終点の岡山だ。この編成ともお別れだ。

長い岡山の放送を聞きながら、在来線の車庫、下関総合車両所岡山電車支所を見る。
岡山到着 特発臨ひかりレールスター現る

12時55分 終点岡山に定刻で到着した。いろいろとレンズを付け替え、撮影に繰り出す。

500系の入換を待っていると、下り本線に700系E編成が…
待避線にも700系E編成がいて、2編成が並んでいるのは、何か様子がおかしいなと思いシャッターを切ると「ひかり 博多」の文字が…

特発臨「ひかり673号」がこの日運転されていたのだ。
この日9月21日、午前9時05分頃、品川ー新横浜間走行中の「のぞみ63号」で、運転台に異常を示す表示が出た。そのため、東海道新幹線は一時運転を見合わせており、山陽新幹線内では下り列車を中心にダイヤが乱れていた。
そのため山陽新幹線内利用の、のぞみ号乗車の旅客を救済するために、急遽700系E10編成を用いて特発臨時列車「ひかり673号」が運転されていた。停車駅は、新神戸、姫路、岡山、福山、広島、徳山、小倉と、往年の「ひかりレールスター」を彷彿とさせる速達設定であった。

「ひかりレールスター」といえば「500系のぞみ」と並ぶ、2000年代の山陽新幹線の二大看板であり、これが現在の九州直通新幹線にも繋がる。
500系乗車とは関係ないが、岡山までの乗りつぶし終わりに見れたのは驚きであった。
500系V8編成を多くのギャラリーと見送る


大勢のギャラリーに見守られながら、13時07分入換信号機の現示に従い、岡山新幹線運転所の電留線へ引き上げて行った。
500系が発車するまでの間、少しだけ500系を撮影しに来た女性の方とお話しした。
500系よりかっこいい新幹線知らないのと、500系が無ければ鉄道に興味を持つことは恐らくなかったとの事…
折り返し「こだま957号」をホテルから見送る


この日は今年8月6日にオープンした「アパホテル&リゾート〈岡山新幹線口〉」に宿泊した。
14階通路からは新幹線の高架橋が見えるので、16時50分発の折り返し「こだま957号」を撮影した。2度もV8編成をお見送りできて幸せである。
おわりに 500系新幹線は幸せ者である

厚狭から小倉まで一緒だったご家族、小倉から博多でお話しした男性の方、岡山駅撮影中にお話しした女性の方、本文では一切言及してないが、夜の岡電の車内でお話しした親子…
と、4組の500系好きの方と出会えた。
500系の8号車には「こども運転台」があり、それも人気の理由の一つとも言えるのだが、”青くて丸くて鋭い未来的なデザイン”が、カッコイイというのが一番に挙げられると言うのを感じた。
500系という存在が、多くの純粋な鉄道ファンを生んでいるのを実感した。
こうやって多くの方々に常に愛されており、数多くの新幹線がある中でも、とても幸せな新幹線であるなと改めて思ったのである。
新幹線とは夢の乗り物だ。その中で500系は、私に多くの憧れと夢を与えてくれた存在だ。
500系は、新幹線・オブ・ザ・新幹線だ。
みんなの憧れでい続けてくれてありがとう。私の一生の憧れでいてくれてありがとう。
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