【DE10】DLばんえつ物語号乗車記 グリーン車デッキよりデーイートーを拝む〈2026運行版〉

乗車日:2026年8月30日(日) 乗車記録:会津若松発新津行き下りグリーン車

JR東日本が誇る超人気観光列車、SLばんえつ物語号。
普段は名前の通り、蒸気機関車であるC57 180号機(通称:貴婦人)が、磐越西線新津~会津若松間を3時間強かけて結び、7両編成の素敵な専用客車を牽引する列車である。

だが今年2026年夏の運行より、牽引機関車に変化が生じた。主に日曜と祝日の運行の際にC57蒸気機関車で無く、その存在を陰で支えるディーゼル機関車 DE10が牽引する事となったのだ。列車名も「SL」では無く「DL」と付けられている。
牽引機変更の理由は、C57 180号機にかかる負荷を軽減するのが目的とのことである。

今回は、脇役とも言えるDE10に大きくスポットライトが当たった、DLばんえつ物語号に乗ってきたので、その様子を紹介することとする。

会津若松 往路の入線を見る

13時36分前 会津若松にて、新津からの旅路を終えたDLばんえつ物語号の入線を撮影。

往路については1エンド側が先頭で、かつヘッドマークが掲げられており、軽い感想であるが、まるで寝台特急を彷彿とさせるような姿であった。

到着後、10分ほどで入換開始。新津・郡山方本線に引き上げたのち、側線にて機回し等を行う。

踏切の所にて、入換の様子を観察もしようと思っていたが、昼飯のラーメン二郎を優先したため、今回は観察はしなかった。会津はいつでも訪れられるので、またの機会としようではないか…

なお、改札を出た後、ばんえつ物語号乗るとき大体お世話になっている地元の鉄と会話をした。
そして昼飯後、ばんえつ物語号の車内で再び合流する事とした。

只見線西若松方の踏切より、留置中のばん物客車を撮影した。

発車15分前 入線を見る

発車の約15分前、いよいよDLばんえつ物語号新津行きの入線だ。
機関車がバック運転で入線するため、まるで連結作業であるかのように二回停車し、停止位置を合わせていく。

せわしなく着発する電車と異なり、ゆったりしてるのが客レの魅力だと改めて感じたところだ。

という訳で愛しのデーイートーを正面から拝みに来た。
蒸機と異なり転車はする必要なく、そのまま機回しして付け替え、エンドを交換したのみである。

復路は2エンド側。ヘッドマークもなく本線入換兼用の汎用機らしい姿を嗜めた。
ヘッドマークが無いという事は、50系レッドトレインなどの普通列車をまるで彷彿とさせるようであったように感じた。

今回はタイトルにもある通り、7号車グリーン車の席を確保した。
往路では先頭になるため、大きな窓ガラス越しより、走行中のデーイートーのご尊顔を拝めた。

15時28分 会津若松を発車

15時28分 会津若松駅を定刻通り発車。展望デッキには、私と同じくデーイートーを嗜む鉄が集まっていた。
なおC57での運行時と異なり、お見送り客も少ないように感じた。

もちろん承知の上で乗っているが、ばんえつ物語号のグリーン車スロフ12 102は、窓が開かず、かつ床下にサービス電源用のエンジンを積んで音が響いており、DE10の吐息を肌で感じることは難しかった。
あくまでダイナミックなガラス越しによる視覚に頼るしかない。

ゆっくり加速するため、DE10の「キュルルルルルキーーン↑」というバックタービンの音を聞くこともあまりなかった。

今回は使わなかった転車台を横目に、会津の地を徐々に離れてゆく…

8月30日の磐越路の空の雲行きは怪しくなっているが、逆に味が出ていい光景である。
やはり目の前にある釜が、軽々と牽引している姿は、蒸機とは違ったかっこよさがあるものである。

という訳で早速、ホットコーヒーとこしひかりジェラートを売店にて購入し、食後のデザートとした。
ラーメン二郎を食べ、ニンニクの香りが漂っているので、匂いを少しでも中和しようという意図もある。もちろんあまり効果は無かったと思うのだが…

喜多方を発車すると、電波が通じずsuicaが使えない場合も出てくるので、喜多方に着く前に急いで5号車売店に向かったのだ。
5号車売店は、発車直後は混んでいるイメージがあるのだが、かなり空いていた。

というのもC57牽引時と異なり、鉄道ファンでない方の利用が少なく、全ての車両を見ているわけではないが、普通車もボックスがまるまる空いているというのが至る所で散見された。
ボックス単位で見ても、体感であるが6割~7割しか埋まっていないようにも感じた。乗る側からすればゆったりしている。

15時53分 喜多方を発車。セクションを区切るかのように濁川を渡る。

平野のセクションから峠越えのセクションへと変わり、会津を周り込むかのように標高が徐々に上がる。

列車を囲む景色も真緑に変わりってきた。森林浴と言っても過言では無かろう…

山都が近づき、一ノ戸川橋梁を通過。この地で阿賀川(大川)・一ノ戸川・只見川が合流し、河川的にも越後へ行く準備ができたと言える。

展望デッキへ立ち入り低速で撮影。大窓からの疾走感がかっこいい。

山都を発車後、馬下手前まで阿賀川(新潟県内より阿賀野川)と並走して走りゆく…

16時28分 野沢にて10分の小休止 発車後名物のじゃんけん大会

16時28分 野沢に到着し10分停車。蒸機であればここで簡単な点検が行われるが、デーイートーはそのまま停車するのみであった。

こうやって見るとばんえつ物語の客車は非常に贅沢なものだなと思う。

というのも展望スペースが3区画もあり、うち2区画は1両丸ごとフリースペースとして提供をしているのである。つまり7両中2両は、座席の販売が無いフリースペース車両である。

輸送と経営の効率化を高めている昨今では、とてもすごく贅沢な話だなと思う。
しかも普通車は840円の座席指定券を追加するのみでこのサービスを受けられるのだから、非常に太っ腹だなと乗るたびに思う。

16時38分 野沢を発車。発車後、順次車掌が巡回し、4号車と1号車を除く各車両にて、名物のじゃんけん大会が行われた。

グリーン車の定員は30名。普通車が余程ガラガラでない限り、最も勝率が高いのである。
まず車掌と勝ち残り勝負が行われ、2人~3人程度になったら、車掌との合図で勝者同士対決が行われる…

そして結果はと言うと…

なんと勝ったのだ。いつも1回目か2回目で、あいこを出して負けるのだが、今回は勝ったのだ。
決勝戦で負けるかと思ったが、あいこの後、2回目で勝った。

という訳で、優勝景品の缶バッジがこれだ。「DLばんえつ物語」のヘッドマークと同じデザインである。
普段の「SLばんえつ物語」の物を使うかと思いきや、ちゃんと同じヘッドマークが描かれている…これはいい思い出である。

じゃんけん大会終了後、デッキが無人となったので、デーイートーが駆ける様子を撮影した。

DE10も写真の1700号機が、製造から52年も経過している。
今後、SLが仮に残るとしても、このDE10は確実にいなくなり、新型の機関車代用気動車GV-E197か、JR九州みたく※DD200が導入されるであろう。
日本国有鉄道のどの現場にいた名脇役を、このような形で納められたのは、鉄として幸せである。
※導入の可能性は低いだろうが希望的観測に懸けたい

普通車にいる地元の鉄と合流し、いろいろと与太話で弾む。

今更のようであるが、普通車であるが窓を開けることができる。また今回は牽引機がディーゼルのため、蒸機と異なり煙を気にする必要が無い。
そのためトンネル内に近づいても、窓閉めを気にせずにいられるのである。

普通の土日のため、普通車は1席押さえてもボックスまるまる(4席分)使え、さらに空いているボックスも多数あり席に非常に余裕がある。
なので、またDLばんえつ物語号に乗る機会が有ったら、次は普通車で乗ってみたいと思ったとこのとき思った。

17時23分 雨が降る津川に15分停車

17時23分 津川に停車。15分停まり、17時38分に発車する。

津川の15分停車の間では、蒸機の場合、テンダー車への給水と石炭の調整が行われている。
だが、今回はディーゼル…炭水車の作業や点検は不要である。

雨でいい感じに濡れており、デーイートーの力強そうか感じに拍車が掛かる。頼もしいぞデーイートー

17時38分 津川を発車。やはりこの展望デッキは人気である。普通車は空いているが、この展望デッキに限りいつものC57より賑わっているように感じた。30名しか立ち入れないのを考慮しても…

現在の新潟のDE10は、今回の牽引機である1700号機の他、1759号機の2機のみ稼働している。
旅客会社保有の釜自体も大変貴重になってきたため、注目度が上がるのは必然と言えるだろう…もちろん私も注目している一員である。

再び阿賀野川の横を駆けてゆく。
美術館のような展望デッキから見る、水墨画のような雨滴る阿賀野川の風景と、紅きデーイートーのコントラストが美しい。

雨で濡れているからこそ、よりデーイートーもたくましく見える。この写真だけでも正直満足である。

咲花に到着した。雲も開けていき、日本海側から黄色の夕陽に照らされる。水墨画のようなところから一気に赤黄色く色づいてきた。逆光のデーイートーももちろんかっこいい!

この天気の変化も磐越路の醍醐味だと改めて確信した。これは普通のディーゼルカー(ヒャクトー・GV)であっても同様で、醍醐味が衰えることは決してないのである。

新潟平野に入りいよいよラストスパート

馬下を通過し、新潟平野に入った。先ほど間を抜けて行った山々を望む…
五泉駅手前の早出川では、撮影されている方をちらほら見かけた。

五泉~新津間の最後の一区間、また自分の席にありつけ、デーイートーの姿を目に焼き付けた。

そして陽もすっかり落ちたとほぼ同時に鉄道の町:新津駅に到着。

18時44分 終点新津到着 入換作業を見る

18時44分 終点の新津駅に到着。

入換作業の際に、折り返して長岡方に引き上げるため、前照灯が客車側に点灯する。

4番線には18時54分発の新発田行きが停車していた。同列車が発車後、入換を開始するまでの時間は2分くらいしかない…
なので4番線側から撮影する方は、この2分に集中をしていたと言っても過言では無いであろう…

それよりも入換灯として、片方のみ点灯しているのが、これまた哀愁漂い素晴らしい。

エンジンを唸らせながら、新津駅3番線を後にした。

19時03分頃、再び折り返し駅側線に入線。新潟車両センター新津派出所に入換が行われた。
10分くらいしたらエンジンの火が落ちるが、そこまでは見ずに、お世話になっている鉄に車で送っていだいたのである。

なおその日であるが、アパホテル&リゾート新潟駅前大通に宿泊。私が新潟駅周辺に停まるとき、最近はいつもそこである。
今回は、公式クーポンを使い4,000円で宿泊が出来た。ピーク時にはエレベーターの町が長いという欠点はあるが、万代シティにもほどほど近いので、おすすめの宿である。

おわりに 運行してくださるありがたみ

夏の臨時列車運転の発表で、故障による代走では無く、初めからDE10牽引で計画されているDLばんえつ物語号の運転に驚いた。

ばんえつ物語号は、日本一運行時間が長いSLで停車時間を含めれば、片道3時間半もかかる。
それをJR旅客会社から絶滅に近いと言っても過言では無いDE10で運行し、それに3時間半も乗せてくれるというのだからまさに贅沢である。

ましてやいくら貴重な機関車とは言え、集客力は低いと言わざるを得ないので、運行コストが上がり人員の確保が難しい昨今…下手したら日曜日の運行を取り止めという判断になってもおかしくはないと思う。

DE10は私のような鉄からは人気であるが、鉄道に興味がない方からすればSLの方が良いに決まっている。
C57 180号機の負担を減らすという事情とは言え、このような客レを運行してくださるのは大変ありがたいなと、振り返ってみた改めて感じたところだ。

SLより乗客が減るが、新潟と会津の観光ルート確保のために運行を英断した、JR東日本に称賛をお送りしたい。

気になった方は、秋の臨時列車でも運行されるので、会津の観光などと合わせた磐越路を訪れて欲しい。

↓応援してくださる方は鉄道コムリンクを踏んでいただけると嬉しい↓

鉄道コム

ギャラリー(次のページへ)

次のページをご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました