【無駄な設備】超重要路線の一部区間が寂しすぎる!!!

北海道

乗車日 2022年1月10日

みなさん、こんにちは!keitrip/須田 恵斗です。

東海道本線や山陽本線など、本線と名乗る鉄道路線と言えば、大体が、特急列車や快速列車が走っていたり、貨物列車が走っていたりと、日本やその地域内において重要な役割を果たす路線となっています。

が、ある区間は、現在も本線として重要な基幹路線としての役割を担っているものの、
それとは別の区間では、かつては同じ役割を担っていたものの、現在はそういう役割がなく、ローカル線に落ちてしまった寂しい路線に乗ってきたので、その様子を紹介します。よろしくお願いいたします。

苫小牧駅

札幌から特急で約50分、苫小牧駅です。忘れ去られた本線はここから発車します。

苫小牧フェリーターミナルがあり、人、物流の北海道の玄関口として、大きく発展しています。
千歳線・室蘭本線の特急北斗・特急すずらんも多数発着する、北海道の重要な街です。

この苫小牧からは、2021年4月にバス代行区間を鉄道路線としては廃止に、本線を名乗る路線で最も短い路線となった…
日高本線と、苫小牧には、3つの路線が乗り入れます。

日高本線も忘れ去られた路線かと言えますが、今回は日高本線の紹介ではありません。

3つの路線の乗り入れ、千歳線は札幌へのドル箱路線、室蘭本線も多数の特急や貨物が走っています。ということで、何線だ?と思うでしょう…

ホームで待っていると、1両のディーゼル列車がやってきました。

列車の行き先を見ると、岩見沢ー苫小牧と書いてあります。

忘れ去られた本線とは、この区間のことです。この区間の路線名は、室蘭本線です。
札幌と函館・室蘭を結ぶ特急列車が走る路線と同じ路線名…

ということで、この室蘭とは関係なさそうな室蘭本線を名乗る区間を走る列車に乗って行きましょう…

岩見沢方面行きの時刻表です。列車本数が8本/日と、非常に少ないことが伺えます。

苫小牧駅を発車

13時26分 苫小牧をゆっくりと発車。30km前後で室蘭本線へ転線して行きます。

日高本線と並走しながら、苫小牧貨物駅の横を通過…

沼ノ端駅に到着。ここから千歳線と分かれて行きます。

そしてふたたび転線し、少しの間千歳線と並走して行きます。

沼ノ端から先、揺れとジョイント音が目立つようになりました。

列車は90km程度まで加速、ジョイント音も相まってかなり速く感じます。

沼ノ端を出てから、遠浅、早来、安平と停まっていきます。

千歳線と分かれてから、ずっと線路は複線となっています。不思議ですね~…

その後、立派な単線高架橋と交差しました。十勝・道東方面の大動脈となっている石勝線です。

かつての栄光をかすかに感じて

14時03分(苫小牧から約40分) 追分駅に到着 2面3線+通過線の立派な駅で頼もしく感じます。

ここ追分は、道が左右に分かれるという意味の通り、室蘭本線と夕張線(現・石勝線)が左右に分かれる駅となっています。

ということで、かつては石炭輸送の大動脈の要衝でした。

そのため、追分機関区が併設、数多くの石炭輸送列車の牽引機関車が多数配置、入換を行っていました。

残念ながら、1976年(昭和51年)に火災が発生、当時新型のDD51や、役目を終えて引退した蒸気機関車など多数が焼失しました。

この広大な敷地からは、その名残をかすかに感じ取ることができます。

石勝線と分かれて、岩見沢へ直進して行きます。

次の三川駅に到着。室蘭からずっと続いてきた複線は、ここでひっそりと終わり単線になります。

三川から先、古山、由仁、栗山と停まっていきます。由仁と栗山の間のみ、再び複線となります。
またその区間では、夕張川を渡っていきます。

夕張炭鉱の名残をかすかに…

栗山駅に到着。

1975年に廃線となった、函館本線野幌駅から夕張を結ぶ、夕張鉄道と交差する駅として栄えました。
夕張から、小樽の手宮港まで運ぶ石炭は、このまま野幌まで…
室蘭港へ運ぶ石炭は、ここから室蘭本線に入り運ばれていたようです。

栗山を発車して、進行方向左側を見ると、雪で見づらいですが、線路の跡が見えます。

1990年 栗山駅と栗丘駅の間にある、栗山トンネルの旧下り線側が崩落し、復旧作業を行わず単線として運行することになりました。

栗丘駅に到着。

続いて、栗沢駅に到着。

栗山、栗丘、栗沢と栗が付く駅が3連続と、地味に面白い状態です。

このあたり一帯に、栗が多かったことが由来となっています。

最後の途中駅、志文駅に到着です。

ここ志文からは、万字炭山へ走っていた万字線が分岐していました。

大きく左へカーブし、岩見沢の市街地を避けるように走ります。
かつては、旅客列車は市街地の真ん中を走っていたのですが、交通の疎外となるため、貨物列車が通るルート(現在のルート)に切り替えられました。

大きく右へカーブし函館本線と並走…しばらく進み岩見沢駅に近づくと、右に広大な敷地、廃線跡が見えてきました。

この廃線跡の付近で、かつて旅客列車が通っていたルートと合流します。

函館本線と室蘭本線が分岐する、ここ岩見沢は石炭輸送の中継点として、多くの貨車、機関車の入換を行う、岩見沢操車場が置かれ、東北以北最大の操車場として誇っていました。

終点・岩見沢到着

14時50分(苫小牧から1時間24分) 終点・岩見沢に到着

幌内~手宮を結ぶ道内最初の鉄道、幌内鉄道(岩見沢~南小樽は現在の函館本線)と
北海道炭礦鉄道室蘭線(現在の室蘭本線)が交わり、

前述の操車場の説明の通り、空知の各炭鉱からの石炭の中継・仕分け地点として栄えました。

現在は、千歳と並ぶ札幌地区のベッドタウンとして賑わいを見せています。

まとめ

空知地方の各炭鉱や、夕張の石炭を束ねて室蘭港へ運ぶのを目的として開通した、現在の室蘭本線。

苫小牧以西は、特急北斗や特急すずらんと言った列車が走り、都市間輸送の役割を果たすために、かつての設備を存分に活かし賑わいを見せていますが…

今回乗った苫小牧~岩見沢は、単行のディーゼルカーが、広い平野を行き交い、同じ路線とは思えない光景が広がってて、ギャップに驚かされたところです。

そして現在は寂れている各駅も、別の鉄道が炭鉱まで伸びていたり、入換のための設備や機関区があり、現在の日本を作り上げた構成の一部が、かすかに残っているのを調べれば調べればほど、実感されられました。

そして、北海道の鉄道の歴史は、炭鉱と大きくかかわっていることも、改めて実感させられていたところです。

気になった方は、鉄道を中心に北海道の開拓の歴史について調べてみてはいかがでしょうか?

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

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