大和市在住、現役プロ相鉄線ナーのkeitrip/須田 恵斗です。
2023年3月より始まった、相鉄と東急線との直通運転。
この直通運転により、相鉄線海老名・湘南台から目黒線を経由し都営三田線の西高島平まで1本で行けるようになりました。
この相鉄線内から西高島平までの直通列車で直接関わる事業者が、相鉄・東急・東京都交通局(以下「都営」)ですが、そのうち都営の車両のみ相鉄線に入れません。
言い換えると、都営は相鉄からの片乗り入れとなっています。
非常に複雑な乗り入れのため、ダイヤ乱れのリスクが高い相鉄・東急の直通運転。
都営車を相鉄に乗り入れさせれば、運行上のネックは少し減ります。この状況が解消される可能性はあるのでしょうか?

現在の都営三田線で使われている車両

都営三田線では、自局保有車両として、6300形6両が24編成、6500形8両が13編成が在籍。
他社からの乗り入れ車両が、東急車26編成、相鉄車が9編成存在します。
東急車と相鉄車は、目黒~白金高輪まで線路を共有して走る東京メトロ南北線、その先の埼玉高速鉄道線まで分散して走るため、語弊はありますが、運行範囲を考えると編成数に対してそこまで余裕がない状態です。
前述の通り、東急車(直通開始直後の3020系を除く)と相鉄車は、相鉄線海老名・湘南台までの直通列車に充当されますが、
都営車:合計37編成は、東急新横浜線の新横浜までしか入れません。
6500形車両は、2022年より始まった8両編成化と、既存の6300形前期車(1・2次車)13編成を置き換えるために登場した車両です。
6500形13編成導入により東急車、2023年からは相鉄車と合わせて、三田線の8両編成運転を行い、混雑緩和に寄与しています。

6300形の車歴差と、新型6500形の導入推進の可能性

都営三田線の主力車両として活躍する6300形。
同形式は製造された37編成の内、6500形に置き換えられた前期型13編成と、現在も活躍する後期型24編成に分けられます。
今後6300形後期型は置き換えられるのでしょうか?そのカギを握るのが、前期型と後期型の車歴差です。
6300形の前期型は1993年~94年に登場しました。
導入目的は、初代三田線車両6000形の内、非冷房車両の置き換えによる冷房化率100%を達成するためです。
また、当初より東急線との乗り入れを前提に設計されています。
続いて登場した6300形後期型は、5~6年が経過した1999年から2000年にかけて製造。大まかなデザインは変わらないものの、床下機器等など多くの部分が変更されています。
後期型の導入により6000形は全廃され、三田から目黒までの延伸開業に伴う所要編成数増も達成されました。
この前期型と後期型の車歴差は、5年程度。
単純に考えて5年後の2027年前後から、この6300形後期型の置き換えが進むかがカギです。
現在の都営交通は、大規模リニューアルは原則行わず、時期が迫ったら新型車両を順次製造することにより、車両更新を達成しています。
また両数増加時は、新造車両を丸ごと導入し、編成内での車歴差を無くしています。
それが如実に表れたのが、新宿線車両10-300形前期型8両を、10-300形新車10両で置き換えたものです。
また、都営大江戸線も古い車両はリニューアル改修はせず、順次新型車両で置き換えており、徐々に新型12-600形の数を増やしています。
そのため、三田線も現在の都営大江戸線のように、更新時期が迫った車両から順次、新造車両導入で置き換えの可能性が高いです。
もし5年~6年後に6300形が全廃されると、このままで行くと三田線の8両編成化が達成されることになります。
それにより、ある程度意識しているであろう都営車両の形式ごとの運用の使い分けがなくなります。
既存の6500形が準備工事がされている事、新造車両であれば比較的容易に相鉄対応機器の搭載が可能である事、現状の運用の柔軟の無さ、
8両統一により、車両の使い分けをしなくても済む点など様々な点を考慮すると、
5年~6年後に6500形統一がされたタイミングのダイヤ改正にて、都営車の相鉄線乗り入れがされても不思議では無いでしょう。
おわりに
開業から5年~6年も経過すれば、その他直通系統の事情も多少変わってくる可能性があるため、相鉄・東急新横浜線の列車増発や日中等の運行体系の変更も十分あり得ます。
であれば、なおさら都営としても都合がよくなっているかもしれませんね…
と、相鉄・東急直通線は、様々な事業者に動きが左右されるのだなと、書いてて実感しました。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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