相鉄線沿線、神奈川県大和市在住のkeitrip/須田 恵斗です。
2023年に開業予定の相鉄・東急直通線。東急直通用に2018年にデビューした相鉄20000系に関する紹介です。
相鉄20000系は、2018年に東急直通に備えるため、1編成だけ先行して営業運行を開始し、
その後2年以上のスパンを開けて2020年度は10両編成が6本、2021年度は21000系を名乗り、8両編成が4本製造されました。
2022年度以降も21000系の8両編成が5本製造される予定です。
今回は2018年に先行して製造された20101×10と、2020年度以降に製造された20000系の異なる部分を解説していきます。

相鉄20000系 増備の過程
2018年3月、20000系の20101×10(編成)がデビューしました。
JR直通が先の開通ですが、JR直通用車両12000系より1年早くの導入です。
相鉄では今まで扱ったことがない東急線規格車両を習熟させるために、先行投入された形になります。
2019年には、12000系がデビュー。同年11月に開業した、相鉄・JR直通車両として2020年2月までに6編成がデビュー、在来車両を置き換えました。
2020年7月より2番目の編成となる20102×10が増備、同年にこの編成を含め10両編成6本が増備。
2021年より、目黒線直通向け8両編成、21000系がデビュー。現時点で4編成が落成しています。
- 2017年 20000系 10両1編成 落成 ※営業開始は2018年3月
- 2020年 20000系 10両6編成 落成
- 2021年 21000系 8両4編成 落成
- 2022年度以降 21000系 8両5編成増備予定
2022年2月現在
・20000系 10両7編成 ・21000系 8両4編成 が在籍
20000系の第一編成 20101×10と、それ以降に製造された編成に2年以上の開きがあります。
その間に、12000系がデビューしたこともあり、多くの仕様変更が行われています。
ワイパーの取り付けの違い


20101×10と、20102×10以降の編成では、前面部分に細かい違いがあります。
20101×10のワイパーは、ワイヤー部分が「SOTETSU」の”U”の部分まで伸びており、そこに可動部となる突起があります。
20102×10以降の編成のワイパーは、ワイヤーがテールライト側に伸びており、その部分に突起が付いています。
ドア・液晶モニターの配置の違い


一番最初に目につくのは、ドア上のLCDモニターの違いです。
20101×10は、列車案内モニターが1台のみ設置、モニター周辺は9000R系に準じた黒色になっています。
20102×10以降の編成は、広告モニターと列車案内モニターの計2台が設置、モニター周辺は12000系に準じた灰色になっています。

また、20101×10は、通路上に枕木方向に広告モニターが設置。1両当たり4台が天井に取り付けられています。
20102×10以降の編成は前述の通り、ドア上に広告モニターがあるため、通路上にはモニターが設置されていなく、車内を見渡すとスッキリした印象を持ちます。
ユニバーサルデザインシートの荷物棚の有無


相鉄20000系と12000系には、ご年配の方などの立ち座りが容易になる「ユニバーサルデザインシート」が備わっています。
20101×10は、通常座面から90mm高いシートとなっています。
そのため、座席を立つ際に、頭が当たらないように荷物棚が無くなっており、その代わり座席下に収納スペースが設けられています。
また、ドア横から誤って荷物を入れられないように、仕切り板が営業開始後すぐに取り付けられました。
20102×10以降は、12000系と同様の通常座面から60mm高いシート(20101×10と比較すると30mm低い)となっており、座面の高さを改善しました。
それにより、20101×10で廃止された荷物棚が復活しました。
優先席の配置の違い


中間車両 – 海老名方の車端部の座席配置です。
20101×10は、山側海側共に優先席となっており、山側のシートはユニバーサルデザインシートとなっています。
20102×10以降の編成は、JR直通対応車両12000系に準じており、山側座席は通常シートの優先席。
海側座席は、ユニバーサルデザインシートの一般席となっています。
※21000系8両編成(目黒線直通車両)は、乗り入れ先の目黒線に合わせて2号車側の海老名方はフリースペースとなっています。
貫通扉の持ち手の違い


20101×10では、貫通路扉の持ち手が黒色に塗装されています。JR直通車両12000系も同様に黒色です。
20102×10以降は、持ち手を見つけやすいように、銀色の塗装に変更されました。
貫通扉上部のモニター設置準備工事の有無


20101×10は、前述の通り通路上に広告モニターが設置されています。
貫通路扉の上部には、同様の広告モニターを設置できるスペースがあります。
実際に貫通路扉上にモニターが設置されている車両としては、大阪環状線323系や京王5000系が挙げられます。
20102×10以降は、広告モニターが11000系や12000系同様に、列車案内モニターの横に設置されているため、このような準備工事がされていません。
ローレル賞プレートの有無

20000系は、2019年鉄道友の会ローレル賞を受賞しました。
このように相模鉄道は、100年の歴史の節目に都心直通を実現するにあたり、共通化という前提の下で限られた独自性を見出す車両が増加する中にあって、明確なコンセプトを策定した後に共通化に対応させるという意欲を鮮明に打ち出した車両を開発しました。選考委員会では、これらの点を高く評価し、20000系をローレル賞に選定しました。
2019年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両
この20000系は、相模鉄道の車両として初めて、鉄道友の会ローレル賞を受賞した車両となっています。
そのため、20101×10の先頭車両(1号車と10号車)の車端部の上部には、このようなローレル賞受賞の記念プレートが設置されています。
20102×10以降は、記念プレートが設置されていません。
相鉄20000系 20101×10に乗車した際は、この記念プレートを探してみてください…
おわりに
こういった細かい違いがあるのが、相鉄らしいなと思います。
おそらく無いと思いますが、2022年度以降に製造される20105×8以降の編成で、仕様変更が行われるのかも楽しみです。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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